2012年2月12日(日)、つちのいえ・おひろめ展最終日。
ポスターが功を奏したか、この日までも来場者が多かった。芸大作品展の一部と化している。
小清水漸先生の退官記念展のときの看板の再利用。

午後3時、まず、たまご茶会が始まった。
版築壁の横で、お茶を立てる席主・前田菜月（漆工M1）。
彼女は2009年春の「峠の茶屋」のおひろめ展でも、茶会を開いてくれた。
今回のたまご茶会は彼女の発案。ダチョウの卵でつくった器を使う。
3時半ごろ、赤松美幸さんが登場、コントラバス独奏が始まった。
一年前、この場所で井上明彦と出会い、そのときに将来の演奏を約束してくれた。それがこの日実現した。
赤松さんは、昨年、音楽学部を卒業。現在はソロで演奏活動を続けている。寒さで手がこごえないよう手袋着用。
曲目は赤松さんの選曲。なかに音楽学部の中村典子先生が「つちのいえ」のために作曲してくださった新曲「つちのいのり」が入る。
この曲の演奏には、聴衆もリンを鳴らして参加する。
すごい数の来場者。
何よりうれしいのは、土塀の土を提供くださった地元の大藪さん、土塀解体を待ってくださった吉井工務店の会長、材木を下さった大原野の大工の大五さん、版築壁でお世話になった建築家の畑中久美子さん、それに顧問の小清水漸先生一行が来てくださったことだ。つちのいえOBも。
顔ぶれ、年齢層が多彩で、芸大のなかとは思えない雰囲気。
演奏会後、大五さん（右後ろ）が、巨大鍋いっぱいのスペアリブ（鹿と猪！）を差し入れしてくださった。
つちのいえのメンバーはみな原始的なので、何でも食べる。
近所の自然派レストランFLOOKのシェフ夫妻も、早めに店じまいしてかけつけてくれた。
火鉢で暖をとろうとするが、数が足りず寒さはしのげない。来場者はよくがまんしてくれたものだ。
おひろめ展期間中、活躍したかわいい記念スタンプ（木下あいり作）。

今回のおひろめ展は、はじめてつちのいえを作品展示に使ったり、茶会や演奏会をしたりと、可能性を試す実験的な試み。

即席の階段、ぬかるみなど、アクセスが十分でないにもかかわらず、とにかく無事におわってよかったです。
（井上記）