台風一過

2018年9月5日(水)

昨日(9月4日)、四国から神戸に上陸した猛烈な台風21号は、関空水没をはじめ、関西各地に大きな爪痕を残しました。
翌5日朝、つちのいえも心配だったので、見に行くと、信じがたい光景が丘の上に広がっていました。

つちのいえの西側に生えていた大きな樹木(しらかし)が根こそぎに倒れ、もう一本の巨木もへし折れています。
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しかしつちのいえは無事でした。
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茅葺き屋根に折れた木の枝があたったようで、少し屋根が傷んでいますが、中は雨漏りもしていません。
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土浮庵の竹屋根はぜったい飛んでいるのでは、と、散乱する材木を片付けながら近づくと・・・
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まったく無事でした。
細かいチェックはまだですが。
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カヤ小屋の屋根に使っていたブルーシート(二重折り)が少し取れています。
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作業小屋の屋根の一部や材木棚のポリカ屋根が飛ばされ、小屋の背中側の壁板が一枚取れていました。

この作業小屋は、つちのいえをつくる前にまずつくったものです。完成したとき(2009年6月)の写真をあげておきます。
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まだつちのいえが生まれる前。最初期のメンバーの富元君らと、彫刻家の小清水漸先生です。
作業小屋はとてもすっきりしていて、お茶が飲めるスペースでした。

それにしても、大木を根こそぎにする台風にも耐えたつちのいえ母屋と土浮庵。6月の大阪北部地震や7月豪雨にもなんとか耐えました。
来るべき大災害に備えて、全国各地につちのいえをつくりましょう。

(井上記)


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# by plus-ap | 2018-09-05 23:13 | 土の家プロジェクト | Trackback | Comments(0)

スイカ茶会

2018年7月26日(木)

授業としては前期最終日のこの日は、恒例となりつつあるスイカ茶会。
奈良在住のOBの出口義子さん(日本画・2017年大学院修了)から届いたスイカを囲んで、今期の打上げを兼ねた集いを開く。
今年ゲストにお招きしたのは、カメルーンの森のピグミーの暮しを研究する文化人類学者の服部志帆先生。
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版築壁をスクリーンにして、ピグミーの森の暮しが映し出されます。
地上最後といえるかもしれない狩猟採集民族のピグミーは、狩猟や漁撈を生業として森で遊動的な生活を送っていましたが、カメルーン政府の定住化政策によって、しだいに伝統的な暮しを続けるのが困難になっているそうです。
それでも服部先生が研究するバカ(Baka)と呼ばれる民族は、折り曲げた枝にクズウコンの大きな葉を被せてつくるドーム型のテント(モングル Mongulu)で遊動型の生活を続けています。
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モングルの大きさは、平均で床直径2.5m、高さ1.3m。
地面に直径2cm、長さ2.5mほどの木を25cm間隔に立てて、編むようにしてドーム状に組み、そこに集めてきた大きなクズウコンの葉(長さ60cm、幅30cm!)を下からつけていく(下からつけるのは重なり部分からの雨漏りを防ぐため)。次にツル性の植物を縦に裂いてつくったヒモで葉っぱを木組みに固定していきます。
モングルがこんなに小さいのは、ピグミーが平均身長1.5mのたいへん小さな体格だからです。(ピグミーという名前は、ギリシア語の肘尺のpygmē(肘から拳までの長さ 約35cm)に由来。)
それに、狩猟や採集のために移動するので、家財道具もとても少なく、日用品の多くは使い捨てだそうです。モングルは住居というより、食事と睡眠に利用されるだけなので、文字通りテントですね。森の中は朝夕冷え込むので、小さい方が身を寄せ合って眠れます。
家をつくるのは主に女性の仕事。でもあくせくつくらず、数日間かけてのんびりつくるそうです。制作にかける総時間もせいぜい4時間ほど。
(男の仕事はもっぱら狩猟や漁労。)
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モングルの屋根に使うクズウコンは、皿、覆い、背負子、敷物など、何にでも使用されます。
また驚くことに、バカには「所有」という概念がなく、食べ物でも材料でも、なんでも共有されます。原始共産制といえるかもしれません。
装飾したり、モノを蓄財することにも無頓着で、とにかくムダなエネルギーはいっさい使わない質素な暮し。
でも即興的で複雑な多声的な声楽が得意で、音楽的にはかなり高度だそうです。

服部先生のお話を聞いていると、バカ・ピグミーは人間が自然とともに生きていく上での何か絶妙な秘訣を体得しているように思えます。
レクチャーのあとの質疑も活発でした。

服部先生、たいへん刺激的で貴重なお話、ありがとうございました。





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# by plus-ap | 2018-07-28 23:53 | 土の家プロジェクト | Trackback | Comments(0)

土浮庵 完成

2018年7月19日(木)

一週間経てばたちまち草ボウボウの坂道。
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坂道途中の菜園。赤オクラとモロヘイヤを育てています。こっそりバジルも。
水やりを欠かしません。
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入口のアサガオ門。ここも草ボウボウだったので、きれいにする。
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アサガオのツルが一本だけ伸びている。ほかに四葉胡瓜も。
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土浮庵のロフト床を仕上げる。
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2種類のカーブした枝でロフトの床穴の縁兼手すりをつくる。
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正面壁の外側へも床板をはる。これだけでグンと広く感じる。
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床に開けた「アガリ口」(にじり口のつちのいえ的変奏)をロフトから見下ろす。
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アガリ口から上を見上げたところ。ロフトの床穴から竹製の屋根裏が見える。
柱には、柱材を切って梯子段とした木片を取り付けている。
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ロフトはとても居心地がいい。頑丈な構造の安心感。
何より床と屋根のあいだに開けたすきまから風が入り込み、屋根裏に空気の流れがたえず起きている。
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土浮庵のロフトからの眺め。夏らしい光景。

何はともあれ、前期中に予定していた土浮庵の完成までたどりついて、めでたいことです。

(井上記)







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# by plus-ap | 2018-07-19 23:36 | 土浮庵 | Trackback | Comments(0)

土浮庵〜透かし壁づくり(2)+つちのいえ修復

2018年7月12日(木)

豪雨(とおそらく地震)で柱がずれたつちのいえ母屋の修復。
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屋根の杖になる二股分かれの枝を高いところから入手する。
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屋根の梁になっている竹に丸太を挿し込むために、グラインダで丸太を削って細くします。
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丸太を竹に挿し込む。中に入った丸太は2m以上。竹の梁をがっしり補強します。
竹が比較的まっすぐだったので、割れることなく丸太を深く挿し込むことができました。
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丸太を竹に挿し込んだところ。
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四角い金属パイプを使って、ジャッキで梁をもちあげます。
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ジャッキアップして、もとの柱(右側)を吊り下げた状態。
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最初に切り出した二股の枝で屋根の梁を支え、そのあいだに束石を据え直し、柱を叩いてなんとか束石の上に載せました。
つちは落としたままです。
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しばらく来ないと夏草がぼうぼう。
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畑の整理。この辺りもおそらく水が滝のように流れたのでしょう。
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土浮庵は地震・大雨にもかかわらず、みな無事。透かし壁づくりに取り組む。
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円窓つきです。
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# by plus-ap | 2018-07-12 23:29 | 土の家プロジェクト | Trackback | Comments(0)

つちのいえ 西日本豪雨被害報告

2018年7月9日(月)

先週の西日本の記録的豪雨は、頑丈なつちのいえにも被害をもたらしました。
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東側の柱が束石からずれて、壁から半分遊離していました。
屋根にかかる相当量の雨のせいと思われます。
6月の大地震のときにすでにずれていた可能性もあります。
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束石も動いています。埋込んでいませんでした。
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同じく東側の内壁の柱部分にも亀裂が入っています。
壁がつながっていない端の部分に大きな力がかかったと思われます。
早急に南壁のような外科的補修が必要です。
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分厚い茅葺き屋根ですが、雨は上部10cmほど以外は全部浸透せず、大規模な雨漏りはまぬかれました。
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しかし、カンヴァスを再利用した屋根の部分は、茅葺きとのつなぎの部分から雨漏りがしていました。
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これはいつものことですが、掘り込んだ部分に下から水があがってきています。
これは外から吹き込んだのではなく、下から水が上ってくるもので、やがて引きます。
つちのいえの丘がいわば西山からの地下水の一時的な貯水タンクのような状態と考えられます。
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川のように水が流れたあと。

なお土浮庵は無事でした。

(井上記)


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# by plus-ap | 2018-07-09 23:04 | 土の家プロジェクト | Trackback | Comments(0)


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